よく笑う赤ちゃんは賢い?微笑ましいだけではない笑顔の秘密とは

よく笑う赤ちゃんは賢い

子育てをしていて耳にした「よく笑う赤ちゃんは賢い」という意見。

これ、本当なのか気になりますよね。

赤ちゃんの笑顔って、見ているだけで微笑ましいので、それ以上の見返りを求めはしませんが、ついでに賢くなってくれるのは嬉しい方が多いハズ。

ということで、この記事では「よく笑う赤ちゃんは賢くなるの?」という疑問を解決します。

目次

よく笑う赤ちゃんは賢い?その理由とは

結論から言うと「よく笑う赤ちゃんは賢い」と言えます。その理由には赤ちゃんの発達段階が関係しているんです。

赤ちゃんの笑いは発達が良く進んでいる印にもなりますし、笑うことで今後の人生にもつながる良い刺激が与えられます

ここでは、よく笑う赤ちゃんが賢いと言われる理由を以下の流れで解説します。

  • 赤ちゃんの笑顔の種類
  • 赤ちゃんの笑顔は発達の証拠
  • 生きるために笑っている?仮説
  • 笑顔で良い刺激をバランス良く与えられる

赤ちゃんの笑顔の種類

赤ちゃんの笑顔について、「新生児・乳児の笑いの発達における進化」という論文をもとに、ここでは赤ちゃんの笑顔の発達過程を3つに分けて解説します。

  1. 新生児微笑…生まれてすぐ見られる反射的なほほえみ
  2. 外発的微笑…聴覚や触覚など外部からの刺激による笑い
  3. 社会的微笑…人との関わりによって生まれる笑い

新生児微笑

生まれたての赤ちゃんの、なんとも言えないカワイイにんまり笑顔は新生児微笑と呼ばれます。

エコー写真でお腹の赤ちゃんの笑顔を見た方もいるかもしれませんが、胎児のときから赤ちゃんは新生児微笑をすることが研究でも分かっています。

また、人が近くにおらず、何の刺激もない状態でも赤ちゃんは新生児微笑をします。

このことから、新生児微笑は喜びや快感、楽しさなどによって笑っているのではないことが分かります。

では、なぜ赤ちゃんが新生児微笑をするのか、まだ科学的な結論は出ていないようです。

外発的微笑

音を耳で聞いたり、触られたりする外的なきっかけで起こるのが外発的微笑です。

生まれたばかりや生後2週間ごろからでも、音を聞いたり、指を握らせて動かしたりなどのきっかけで外発的微笑が起こることが確認されています。

生後4週間ごろからは、他の音よりも人の声によく反応して笑うようになります。

また、生後1~2か月では人の顔を見るという視覚的な刺激で笑うなど、発達に応じて反応する対象が変化し、社会的微笑へと進化していきます。

社会的微笑

親などの親しい人の顔を見て笑うなど、人との関わりによって生まれるのが社会的微笑です。

生後3か月ごろはまだ誰の顔かを判別せずに笑いますが、生後8か月ごろにはとくに親しい人の顔を選択して笑うようになります。

ちょうど人見知りが始まるのと同じころですね。

赤ちゃんの笑顔は発達の証拠

赤ちゃんの笑顔は、発達が進んでいることのひとつの証拠になります。

人の顔を見て笑うようになったら目が見えてきた証拠、親が近くにいると特に笑うようになったら社会的な面での発達をしている証拠になります。

また、新生児微笑を多くしていた、よく笑う赤ちゃんは、その後の社会的微笑も多く見せる傾向にあります。

つまり、生まれたばかりでよく笑っていた新生児は、そのままニコニコ赤ちゃんに成長することが多いんですね。

よく笑う赤ちゃんは、それだけ発達を続け、どんどん賢くなっていることの証明でもあるといえるでしょう。

愛されるために笑っている?仮説

生まれてすぐから見られる新生児微笑は、「大人から愛されるために笑っている」という仮説があります。

新生児育児は本当に大変!授乳感覚も短く、昼夜なく起こされて、丁寧に扱わないといけないし、お世話をする人はもうヘロヘロです…

でも!そんな疲れは一瞬吹き飛んじゃうくらいに、新生児微笑はカワイイんですよね。

ほんの短期間しか見られない新生児微笑を心の支えにして、お世話をがんばったパパママは多いはず。

大人から愛されるために新生児微笑をしているという仮説があるのも納得できるでしょう。

チンパンジー母は新生児微笑に反応しない

人間に近いといわれているチンパンジーの赤ちゃんも、新生児微笑をします。

しかし、チンパンジーの母親は、新生児微笑に対して母親がほほえみかえしたり、「カワイイ!」と喜ぶ様子は見られていないようです。

人間だけが表す新生児微笑に対する愛情。それが人間が独自に進化したコミュニケーションともいえるでしょう。

早産児はよく笑う

早く生まれた赤ちゃんは、正期産だった赤ちゃんと比べると新生児微笑をよくするという研究結果があります。

このことからも、よりたくさんのお世話を必要とする赤ちゃんは、たくさん笑って、生き抜こうとしているのかもしれません。

よく笑う赤ちゃんは、それほど賢い処世術を生まれたときから身につけているともいえますね。

新生児微笑の理由には、「表情筋を鍛えるため」という仮説もあります。
おそらく色んな理由が絡み合って、人間は新生児微笑をするようになったのでしょう。

笑顔で良い刺激をバランスよく与えられる

よく笑うことは、脳に良い刺激をバランスよく与えることに効果的です。

以下の流れで笑顔と脳の成長の関係をご説明しますね。

  • 脳の成長とシナプスの関係
  • シナプスは減らすことも重要
  • 笑顔でバランスの良い刺激を与える

脳の成長とシナプスの関係

人間の脳の成長は、神経細胞を繋ぐシナプスという部分が大きく関係しています。

シナプスの数は生後8か月ごろをピークに形成されるものの、その後不要な部分は衰え、10歳ごろにはシナプスは半減します。

昔は「3歳まで脳細胞(シナプス)が増え続ける」と考えられていましたが、これは1970年ごろからの研究で間違いであると分かっています。

「せっかく形成されたのに減ってしまうの?」「シナプスがたくさんあれば賢くなるのでは?」と思う方も多いですが、実際の脳の成長は少し違います。

シナプスは減ることも重要

シナプスは多く、たくさん繋がっていれば良いものではありません。

実際は、無駄なシナプスをバランス良く削ることで成長につながることが多く見られるのです。

たとえば

1~2歳の子供は上手にピースをするのが難しいですが、3~4歳ごろになると器用に指を2本だけ立てられるようになります。

これは、最初は人差し指と中指の動きを制御する神経細胞が一部混線しているため、1~2歳では上手にピースができないと考えられます。

成長とともに不要なシナプスが衰えて減ることで密度が下がり、頭で考えたとおりの細やかな動きが出来るようになるんですね。

また、シナプスが正常に減っていかないことが自閉症や統合失調症に関わっていると言われています。(※自閉症は生まれつきのもので、教育や環境との関係は証明されていません)

さらに、シナプスが衰えなければ、不要な情報を忘れるなど情報の取捨選択が上手にできなくなり、精神的な負担が大きくなることも考えられます。

笑顔でバランスの良い刺激を与える

赤ちゃんのうちから手当たり次第に刺激を与えてシナプスを衰えさせないようにするのではなく、バランス良く発達させる必要があります。

脳を活性化させるために必要な刺激は、精神的な状態とも深く関わっています。

頭と心の発達を支えるためにも、子供自身が楽しめるような刺激を与えることが大切です。

色んな種類の刺激を与えるときも、根本に「楽しい」という笑顔のもとがあれば、より高い効果が期待できるでしょう。

赤ちゃんをよく笑わせる方法

赤ちゃんをよく笑わせるには、以下の方法があります。

  • 音や歌で笑わせる
  • 抱っこして笑わせる
  • 絵本を読んで笑わせる
  • おもちゃで笑わせる
  • いないいないばあで笑わせる
  • お風呂で笑わせる

音や歌で笑わせる

生後1~2週間でも、音に反応して笑う赤ちゃんが見られます。

生後4週間ごろからは人の声にとくに反応するようになるので、身近な大人が歌を歌ってあげるのも良いですね。

最初はじっと見つめるだけだったのが、ニコニコしたり、声を出して笑ったり、一緒に歌ったりと、歌で子供の成長も実感できます。

抱っこして笑わせる

抱っこして笑わせるのもとってもおすすめです。

赤ちゃんは抱っこが大好き!

「抱っこしなければ泣く」というところから「抱っこすると笑う」に成長すると、愛らしさが爆発します。

抱っこして優しく揺れる、高い高いをするなど、赤ちゃんの成長に合わせていっぱい笑わせてくださいね。

絵本を読んで笑わせる

赤ちゃんが少し大きくなったら、絵本を読んで笑わせてみましょう。

1歳を過ぎてから絵本を読んでニコニコ笑うようになる子供が多いですが、それより小さいうちから絵本を読むのもおすすめです。

日常生活で使う言葉は意外と種類が少ないので、普段は聞けない絵本の独特な言葉も赤ちゃんにとっての良い刺激になりますよ。

おもちゃで笑わせる

おもちゃは新生児の頃から必要だと言われているくらい、赤ちゃん向けのおもちゃは重要です。

赤ちゃんと楽しく遊ぶなら、おもちゃで笑わせると良いでしょう。

ファーストトイを選ぶのであれば、音の出るおもちゃや触ると反応するおもちゃなど、発達に合わせたおもちゃを与えてあげると、笑わせやすいですよ。

生後半年を過ぎたころからは、軽いおもちゃを大人の頭の上に乗せたまま、大人が「こんにちは」とおじぎをするとおもちゃが落ちる…という動きには大笑いしてくれる赤ちゃんも多いです。

0歳の赤ちゃん向けのオススメおもちゃは、以下の記事で紹介しています。

関連買ってよかった知育玩具0歳12選│長く使えるおすすめはどれ?

いないいないばあで笑わせる

いないいないばぁは、実はさまざまな発達を経てから笑わせられる高度な遊びです。

個人差がありますが、赤ちゃんは生後5か月から6か月ごろからいないいないばぁで笑うようになります。

  • 隠れても後ろにあること(物の永続性)がわかる
  • 後ろに人がいたことを覚えられる短期記憶
  • 次に何が起きるか予測できる

これらの能力が育ったとき、いないいないばぁは大好きな遊びになるのです。

「ママは見えないけど、手の後ろにいるはず。出てくるぞ、出てくるぞ…やっぱり出てきた~!」という感じで笑えるのですね。

お風呂で笑わせる

あったかいお風呂につかりながら、赤ちゃんを笑わせるのもおすすめです。

手で支えながら泳がせてあげたり、大人が顔を水につけてからざばーっと顔を上げたり、お気に入りのお風呂おもちゃで遊んだり…

お部屋ではできない遊びで赤ちゃんをいっぱい笑わせてあげましょう。

関連お風呂で遊べるおもちゃのおすすめ10選┃飽きないで遊べるものは?

よく笑う赤ちゃんは賢い?まとめ

よく笑う赤ちゃんは賢い!といわれるのは、赤ちゃんの笑顔が成長を表しているからでしょう。

発達が進むにつれて、赤ちゃんの笑顔もどんどん進化していきます。

赤ちゃんを笑わせる楽しい気持ちを忘れずに、良い刺激をいっぱい与えながら、親子で成長していきましょう!

ぜひシェアしてください

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次